てマワスカーの軌跡

「てマワスカー」誕生秘話

うち社長はアイディアマン

当社の社長は、これまでの仕事を通じて、多くの方々からたくさんのことを教えていただいたお陰で、ノウハウとアイディアを蓄えることができ、アイディアマンとなりました。
また、ちいさな子どもたちと関わる科学館などのお仕事をしてきたことで、たくさんの子どもたちを、喜ばせたいという気持ちが、どんどん積み重なってきました。
私たちの会社のような、小さな町工場の目標は、やはり「メーカーになる」ということです。
 
当社は、イベントの装置や科学館の施設などの華々しい仕事を、主にさせていただいているかのように思われますが、実際は工場向けの省力化機械(例えばコンベアや、ターンテーブル)などを、工場から注文を受け、たくさん作ってきました。どちらかと言えば、こちらの方が、本来のアイエス産業の仕事なのです。

これらの地道な仕事を、コツコツとこなしてきたお陰で、機械や装置の製作において、技術やノウハウをじっくりと溜め込むことができました。温めてきた想いや夢、技術は、ずっとずっと形にならずに、頭の隅のしまいながら
日々の仕事に追われる毎日でした。ところが、ここ最近、若手が育ってきたことで、少し社長にも、これから先のことを考える余裕が、でてきました。
そして、設計のブレーンの方と相談しながら、頭の隅にしまっていた想いと夢を、図面化していきました。

 

でも、ここでまたひとつ、葛藤が・・・。

 

「こんなモン、商品になるのだろうか?」

 

いまひとつ確信が持てないまま、図面にしたものの、形にせずに塩漬けの期間が・・・。

 

背中をおしてくれた2つの出会い

まず1つめの出会いは、経営コンサルタントのおのえ康之先生との出会いです。2011年に
なってすぐに、摂津水都信用金庫の堀江篤史さんから、ご紹介いただきました。

そこで、これから当社が、どうなっていきたいのか、どうしていかなくてはならないのかなど、話し合い、 そして分析していきました。現在も月に2回、続いています。

 

その中で、社長が書き溜めていた、「てマワスカー」や、その他の「おもしろ装置」について話したところ 、「事業として展開していくことが、できるかも?」ということになり、実際の形にしていくことになりました。

試作機の段階ですが、おのえ先生と堀江さんに試乗していただきました。

この「てマワスカー」ですが、鉄の線路の上を、鉄のコマがついた車両を走らせるのです。
すると、線路にも、コマにも抵抗がほとんどなくなり、とても軽く、車両が進むのです。
正直、試作機を作り、実際に試乗するまで、このことには誰も気づいていませんでした。


この気づきから、もし「てマワスカー」自体が、商品にならなくとも、この装置や仕組みが、省力化機械メーカーとしての、当社のシンボル、マスコットになるのでは?という期待も生まれてきました。
また、おのえ先生からのご指導もあり、会社のホームページを作ることになり、ホームページを作ってくれる会社さんを、インターネットで探していたところ、うちの会社のごく近所に、今井広告研究所さんを発見!!
ここで、「てマワスカー」を実現していく、もう1つの出会いを果たしたことになります。

ホームページを制作するために、当社のできること、これから目指していきたい方向性などを、お話していた中で、当社の「子どもたちが喜んでくれるものを作りたい。」という想いが、今井広告さんがこれからしたいことと、限りなく近くにあることがわかりました。
今井広告さんは、地域のお母さんや、子どもたちが安心して集まることのできるスペースを雑貨屋さんとして、展開しています。
そこで、年に数回、子どもたちを集めて、わんぱくイベントをされています。
そのイベントで「てマワスカー」をお披露目しませんか?と、お声を掛けていただきました。
ただの、グレーの鉄色した、工場の片隅に押しやられていた 「てマワスカー」が、実際に商品として一般の方や、子どもたちと出会う第一歩ができたのです。
ちなみに、「てマワスカー」という名前も、今井広告さんとのガールズトーク(?)のなかで、産まれたものなんです。

「てマワスカー」試行錯誤

「てマワスカー」の誕生と成長

これは、初代の「てマワスカー」という名前もなかった頃です。

ボディーは、鋼鈑のカバーですし、その他いろいろな改善点がありました。

これは、2代目「てマワスカー」のためのラフ図面です。なるべく中の仕組みが見えて、より安全なものに改善していきます。

 

 

 

 

早く形にしたいという、製作者の思いが先走りしすぎて、手書きの部品図もあります。

あとで、部品データ化するつもりのようです。

 

ラフを元に、もう一度試作です。

2代目 てマワスくんが、いよいよ完成!

完成した てマワスカーの試運転です。

この日は、別件の立会い検査の日。

 

工場内に線路を敷設。立会いのお役人

さんの後ろをスレスレに、社員みんなが

次々と、旋回していきます。

「てマワスカー」の問題点を解決

  • みんなで、試乗した結果、改善点を発見です!!。

     細い線路の上、平べったい車体が載っているので、左右が不安定。

  • カーブする際、R(半径)が小さすぎると、前輪・後輪が線路に擦れ、スムースに進まず脱線してしまいます。

 

車体を、コンパクトにしようとしたあまりに、何かにつけて不安定なものに仕上がっているようです。

 

 

これらの問題点を解決しなければ、「安全で楽しい」乗り物でなくなります。

 

さあ、5月5日の、今井広告さんの「こどもの日イベント」までに、問題点を解決しなければなりません。

 

  • 車体の左右が不安定なところは、車体の幅を若干小さくし、左右に補助輪をつけました。車体が大きく傾いたときに、補助輪が地面に着きます。

    時間があれば、車体・レールの幅を広げてしまいたいところですが、今回は、こ              

    の応急処置で、本番に臨むことになります。

  • カーブのR(半径)の問題ですが、これも次回以降の作り直しと云うことで、今回は、直線のレールに、前後に操縦車をつけることにしました。

  

「てマワスカー」試乗体験で初お披露目

いよいよ、5月5日「こどもの日イベントです。

子どもさんから、ほどよい人気の「てマワスカー」です。

とにかく、安全に遊んでもらうことが大切です。

現場に立ち会った、社長をはじめ若手社員も、いささか緊張です。

「てマワスカー」の問題点を発見

実際に、たくさんの子どもさんに使ってもらうことで、当社が考えていなかった新たな問題点を発見することができました。

1.

どんな条件であっても、地面のレベルが出ていないと、コンパネのジョイントと、線路のジョイントに段差ができ、進まなくなったり、脱線してしまいます。それは、構造上の問題です。


2.

前後に駆動車をつけると、回していない方のハンドルが勝手に回ってしまうので、子どもが、手を打撲する危険性があります。

 

3.

連結部分の、取り外しが容易にできるため、動いている最中に取りはずしを行おうとするため、手を挟んだり、足を挟んだりする危険性があります。



今回のイベントで、今後に活かせる色んな課題を、見つけることができたこと。そして、天気も良く、「てマワスカー」をたくさんの子どもたちが試乗し、無事に楽しんで、喜んでもらえたことは、なにより嬉しかったことでした。この経験を活かし、さらにパワーアップした「てマワスカー」を、今後もご披露していきたいと思っています。